金銭的価値も重要ですが、私が長年の支援経験で痛感しているのは、非金銭的価値こそがWebサイトの真の競争力を生み出すということです。
数字に表れにくいこれらの価値は、多くの経営者様が見落としがちですが、実は金銭的価値を支える重要な土台となっているのです。
今回は、企業の持続的成長に不可欠な3つの非金銭的価値について解説いたします。
◾️3つの非金銭的価値
1. 信頼と専門性を築く「高品質なコンテンツ」
2. 顧客体験を向上させる「優れたユーザー体験(UX)」
3. 検索エンジン評価を確実にする「技術的健全性」
1. 信頼と専門性を築く「高品質なコンテンツ」
独自性の創出支援
企業様の支援で最も重視するのは、その企業様の独自コンテンツの発掘です。
例えば精密機器メーカー様の場合、以下のような取り組みが効果的です。
• 製造現場の職人技を動画で紹介
• 品質管理プロセスの詳細解説
• 顧客の課題解決ストーリーの事例化
このような独自コンテンツの充実により、最低目標として月間問い合わせ数10-20%の向上を目指すことができます。
E-E-A-T戦略の実装
Googleは「経験・専門性・権威性・信頼性」という4つの非金銭的価値意識したコンテンツ戦略を評価していると言われています。
• 経験(Experience):実際の事例や失敗談も含めたリアルな情報
• 専門性(Expertise):技術的な深掘り解説や業界トレンド分析
• 権威性(Authoritativeness):業界誌への寄稿や講演実績の掲載
• 信頼性(Trustworthiness):透明性のある企業情報や第三者評価
網羅性による価値提供
支援する際はユーザーの疑問を解決できるよう包括的なコンテンツ作りを心がけています。
一つのテーマについて、基礎知識から応用まで、必要な情報を全て網羅することで、ユーザーの満足度と信頼度が大幅に向上します。
2. 顧客体験を向上させる「優れたユーザー体験(UX)」
ユーザビリティ改善の実践
支援する際の基本方針は「迷わせない、探させない、ストレスを与えない」です。
具体的な改善ポイント:
• 3クリック以内で目的の情報にたどり着けるナビゲーション
• スマートフォンでの操作性を最優先としたデザイン設計
• 問い合わせボタンの最適配置(ページ上部・中部・下部の3箇所)
表示速度最適化の重要性
ページ表示速度を3秒以内に設定することを必須としています。
改善施策の優先順位:
1. 画像圧縮とファイル形式最適化
2. サーバー性能の向上
3. 不要なプラグインやコードの削除
4. ブラウザキャッシュの適切な設定
モバイルファースト設計
モバイル流入が多くなっています。そのため、モバイル体験の最適化を最優先事項として位置づけています。
目標として考えられる成果のめど(例えば不動産会社の場合):
• モバイル表示速度:20-30%改善を目標
• モバイルコンバージョン率:30-50%向上を目指す
• 顧客満足度:段階的な改善を実現
3. 検索エンジン評価を確実にする「技術的健全性」
SEO基盤の強化
見た目の美しさよりも技術的な健全性を優先します。
重点チェック項目:
• サイトマップの適切な設置と更新
• 構造化データの実装(Googleが理解しやすい形式)
• 内部リンク構造の最適化
• ページ読み込み速度の継続的改善
技術的負債の解消
多くの企業様が抱える技術的な問題を体系的に解決します:
• 古いコードの最新化とクリーンアップ
• レスポンシブデザインの完全対応
• 検索エンジンクローラビリティの向上
非金銭的価値が生む相乗効果
これら3つの要素を段階的に改善した企業様では以下の効果を期待できます。
• ブランド認知度:最低目標として20-30%の向上
• 採用応募数:50-80%程度の増加を目安
• 顧客満足度調査:業界平均レベルへの到達
• 結果的な売上向上:20-40%の範囲での改善を目標
※高品質なコンテンツ、優れたUX、技術的健全性の3つが揃うことで、Webサイトの非金銭的価値は確実に向上します。これらは短期的に見えにくいものの、金銭的価値を支える重要な土台として機能し、長期的な企業競争力の源泉となります。
次回は、これらの価値を具体的に測定・評価する方法について解説します。
考えをかたちに、かたちを成果に。
ミーニングフル・プラクシス