ジェイ・エイブラハムの『ハイパーマーケティング』を読んで

ジェイ・エイブラハム氏が最も大事にしている考え方は「卓越の戦略(Strategy of Preeminence)」というものです。
これは簡単に言うと、顧客にとって「この人がいれば安心」「この企業なら信頼できる」という唯一の存在になることです。

単に商品を売ることが目的ではなく、顧客が本当に何を望んでいるのかを理解して、その人たちの成功や幸福、利益を一番に考える。そして、その「本当の望み」を実現するために動く。こうすることで、顧客は企業を信頼するようになり、永く付き合い続けてくれるようになるということです。つまり、相手に「与える姿勢」を大切にすれば、長く安定した成長が手に入るということなんですね。
ジェイ・エイブラハム氏はもう一つ、「パラダイムシフト」の大切さを繰り返し教えています。
多くの企業は自分たちの業界のやり方だけに頼ってしまい、全く違う業界の成功例をなかなか活かせていない。
でも、他の業界で上手くいっている考え方を自分たちの業界に応用すれば、新しい工夫の道が開けるということです。
さらに、ジェイ・エイブラハム氏は「提携戦略(ジョイントベンチャー)」「顧客のリスクを会社が負う保証(リスク・リバーサル)」「リピートや高額商品への乗り換え、紹介を増やす工夫(リピート・アップセル)」など、いろいろなテクニックをまとめています。
これらは、その場限りの売上だけでなく、その顧客がずっと買い続けてくれることで生まれる総合的な利益(LTV)を増やすためのものです。
ジェイ・エイブラハム氏のマーケティングは、心理学と論理を組み合わせたものです。
人間がなぜ買い物をするのかをしっかり理解して、信頼感や安心感、それに感情的な満足感を上手に設計することで、いろいろな手法を使うということです。
つまり、ジェイ・エイブラハム氏にとってマーケティングとは、「人間をよく理解することから始まる価値づくりの体系」であり、広告や販売はそのほんの一部に過ぎないのです。
最終的には、「顧客にとってなくてはならない存在になること」、言い換えれば「なぜこの企業が選ばれるのか」という理由をつくることが、一番の目標なわけです。
それこそが「卓越の戦略」です。
つまり、ジェイ・エイブラハム氏が言う「卓越の戦略」とは、「顧客の人生を良くすることを通じて、自社の成長を当たり前のものにする考え方」ということです。これはテクニックとか技術の話ではなく、企業と顧客が一緒に価値をつくっていく道を示しているのです。

想いをカタチに、そして成果に。

Articulating your passion, creating your success.

       

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